最近の車離れに思う

若者が車に興味を示さなくなっているとか。自動車産業は裾野が広いので、自動車が売れるようになれば景気回復に一段と大きく寄与するのに・・・という経済的は問題はテレビの評論家さんたちに任せるとして。

なぜ興味がないのか。お金がかかるからとか、無くても不便はないだとか、魅力的な車がないからとか、理由は色々あるのでしょうが、直接的には車の楽しさを「知らないから」ではないかと思うこの頃。そりゃ知らないものにはお金を出しませんよね。ましてや少なからずなお金もかかるので。でも乗っている者からしたら、いろんな言い分はともかく、クルマは楽しいものですよ。昔ほどクルマを持ってることがステータスではありませんが、でもいつでも好きなところへ出かけられる利便性は、他には代え難いものがあります。コストをかけるだけの価値があるかという話には賛否があると思いますが、でもコストをかけないことには味わえない楽しさであるのは確かです。そんな理由から、私はまだバイクも手放さずに持っていたりする訳ですが。政府や自動車メーカーは、もっとクルマが面白いものであることをアピールしてもらいたい。

ですが、世の中はあちらを立てればこちらが立たないもの。今はクルマを購入するのではなく、エコと経済面の意識から、カーシェアリングという方法が普及しているようで。10人で1台を共同所有して、使いたいときに使うというスタイルは、確かにエコだしお金の面でもメリットあるでしょう。ですが、もしかしたら10台売れたかもしれないクルマが、これでは1台しか売れない訳です。メーカーのコスト削減は大歓迎ですが、消費者側が削減してしまったら、結果として市場はしぼんでしまいます。だって、クルマに限らず工業製品が最もコストを削減できるのは、同じ物を大量に生産することなのですから。

でも世の中、全体的に「所有」することより、「利用」する方向に変化しつつあるような気がします。クルマだけでなく、ブランドものとか、自転車なんかもそうみたいですね。特にソフトウェアの世界になると、ASPSaaSといって、だいぶ当たり前になってきています。市場がそういう雰囲気になる中で、レガシーな産業が生き残るのは、容易じゃないでしょう。ある意味、今が産業革命というか、何らか転換点なのは確かなのかもしれません。今や教科書で語られるブラックマンデーの様に、遠い将来では今の不況も語り継がれるようになるのでしょうか。