日時と場所が分からない方が楽しいのではなかろうか<日食

日本で数十年ぶりに皆既日食ということで、ちょっとしたブームになってますねー。たしかに神秘的な天文ショーです、興味もあるし見たいとは思います。

ただ、現代人の日食観測は、大昔の人に比べるとめちゃくちゃコンビニエンス的になっているのではないでしょうか。まだ日食なんて予測のしようもない大昔、太陽が欠けることなんて予測どころか想像もできないんじゃないかと思いますが、その太陽が欠けてしまうってどれほどの驚きだったのでしょう。それも場所によっては、昼間なのに急に夜のようになってしまうのは、まさにこの世の終わりのようにも思えたのではないでしょうか。

それが今は、何十年先もの日食の時間と場所まで分かって、待ちかまえて観測できるんですから。。。そういえば、何かで「不思議は解くべきか解かざるべきか」というテーマを読んだ記憶があります。例えば世界の7不思議。気持ちとしてはその原因や解を探りたいものの、分かってしまうと「不思議」としての魅力もなくなってしまう。なので謎は謎のママの方が面白いのではないか。具体的には、ミロのヴィーナスの腕や、モナリザのモデル。本当のところを知りたいけど、知ってしまうともう勝手な想像で楽しむことができなくなってしまう。日食も、もしかしたらいつどこで起こるか分からない方が、楽しいのかもしれません。

ところで、強いて今の時代で大昔を味わおうと思うと「地震」がそうかもしれません。今の技術では地震を予測することは無理で、発生ベースであたふたしています。ところが遠い将来、地震の時間と場所がバッチリ予測できるような時代になるかもしれません。そうなると、「昔の人って、大地震がいつどこで起こるか分からなかったんじゃ、さぞ怖かったんだろうね」と思われる時代がやってくるのかもしれませんね。