日本を創った12人(堺屋太一)

こちらです。単なる偉人の伝記ではなく、ある意味歴史の教科書と言えなくもない。今の日本人の文化・価値観に影響を与えた人物として、12人を取り上げています。そして日本人の独自性の原点はこれか!とうなることが盛りだくさん。こんな観点で歴史を教えてもらえると、学生時代の勉強もす〜っと頭に入ってきたろうな。久しぶりに、良い本読みました。

  • 聖徳太子:他宗教の同時信仰を生み出す。これは今でも世界に類をみない日本人的感覚。
  • 光源氏:貴族的な「上品」の概念をもって細かいことをあれこれいわない。長いものに巻かれる事なかれ主義。
  • 源頼朝:権威(天皇)と権力(幕府)という二重構造。これも世界に類をみない制度。
  • 織田信長:民族・文化的には1つだが政治的にはバラバラだった日本を、「中央集権国家」としてまとめた人物。
  • 石田三成:強いリーダシップではなく、中間官僚・管理職(課長クラス)や中堅職員・社員が根回しや人のつながりで動いている、そんな日本人的行動を初めて大規模に行った人物。
  • 徳川家康鎖国による国際感覚の欠如、国際的な孤立感。これが食べ物でも工業製品でも日本が一番!という今の意識の原泉になっている。
  • 石田梅岩:勤勉と倹約。「もったいない」の感覚。それを広く普及させた人物。
  • 大久保利通:官僚制度を確率させた人物。でも彼が見ていたのは、もうちょっと違う形だったのかもしれない。早くして暗殺されてしまったのが残念。
  • 渋沢栄一:世界的にも珍しい「財界」という経営者集団を創り、官僚・財界が協調してうまくやる規制と談合の元を創った人物。
  • マッカーサー:大量生産・消費を推奨し、伝統や見識が否定され、今に至ってしまった。
  • 池田勇人所得倍増計画により、村で営む農業を基本とする大家族制度から、人生の大半を会社との関わりで過ごす核家族へとスタイルを変えてしまった人物。
  • 松下幸之助:事業や土地による一発屋の実業家ではなく、自ら苦労し人と社会の役に立ちながら会社を大きくした、庶民のヒーロー。


簡単にまとめるとこんな感じかと思われます。全てが少なからず今につながっていると思われます。